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yuyamikawa

投稿者: yuyamikawa

 筆者は、大学のゼミ活動などを通し、社会で様々な実践を繰り返してきた。それら基礎になっているのが実践者同士の対話であった。相互の見えを解釈した上で、見ていたものを想像、回想し、更なる解釈を語りあい、自他の経験、記憶、生きかたの違いを享受できていたのである。このような関係を形成するために、出会った人びと、触れた作品・デザインから得られる生きた物-語り〈ナラティブ〉を理解していたのだろう。 一方で、私たちデザイナーが現場にあった物-語りをどう解釈しようとし、現場の人々にどのように物-語られ、どのように受け取られていたのかなど、デザインにおける物-語りの構造を明らかにしてこなかった。  そこで本研究では、筆者のデザイン実践の物-語りと、 他者のデザイン実践の物-語りを省察的に読み解き、生活世界ベースのデザイン実践における物-語り=ナラティブはどのように紡がれ、その文脈を筆者や他者がどのように解釈をしていたのかを明らかにする。そして、そのナラティブを得ることでどのようなデザインができたのか、どのような知のはたらきがあったのかを明らかにする。自他の関わり合い、対話、デザイン活動の中で、活動段階による個々人の変化を捉えるために、二人称的アプローチによって実践を省察した。